CDプレイヤの生き様

長年がんばってくれたデンオンのCDプレイヤがついに音を出さなくなりました。
初月給で買った、苦楽を共にしてきた同志です。

コロナが騒がしくなったころから段々再生できないことが多くなり、今年になってほとんど再生不可能となっていました。おそらくレーザーダイオードの寿命が来たのだと思います。
買い替えようと考え、最後に中を見てみることにしました。
ダメもとでピックアップレンズをクリーニングして、CDをセットすると、何とCDが回転し始め、ヘッドフォンから音が出たのです。
なんてこった!
しばらく鳴り続けたのでこれはいけると思い、カバーを元に戻してアンプにつなぐと、うんともすんとも言わない。もう一度カバーを外し、クリーニングしたり、プラグの抜き差しなどやってみましたが、音を出すことはありませんでした。
本当に成仏したようです。

もう復帰することはないと思っていたCDプレイヤ。
最後に音を聞かせてくれたのがうれしく、感動的でした。
まるで人間の最後のようじゃないか。

先月末に開かれた大学運動部の対抗戦を観戦された、ある高齢のOBの方がいました。
ここ数年、かなり衰弱されていたそうですが、何としても対抗戦を見たいということで、奇跡的に体力が回復し、家族の方が付き添って京都から東京まで行き、念願の対抗戦、しかも勝利を見られた。
若人たちが、走り、飛び、投げる姿に、ご本人の若いころの姿を重ね見て、胸躍ったのではないでしょうか。車いすに座って観戦しながらも、こころはトラックを駆け抜ける。最後のストレートを歯を食いしばって走っていたに違いない。
もうすぐフィニッシュだ、俺は走ってる、走ってると。
軽い、軽い、あはははっ。

そしてその方は2週間後に亡くなられた。
見事なフィニッシュではありませんか。

気が人を生かすこともあるのだとあらためて感じたのでした。
心(気)の健康が身体の健康を作る。
そろそろ仕事から引こうと考えている今、仕事で悩むことはなくなる。
お気楽にやろうじゃないか。
正平さんの「人生、下り坂最高!」の精神で日々過ごしていけよと、同志が教えてくれているようです。

人生はスタートしてフィニッシュまで走り続けるのですが、楕円のトラックのようにスタートした場所にフィニッシュするのが理想ではないか。
禅はそう教える。
人生は円環だと。

自分もまた若いころに戻って、軽やかにフィニッシュしたい。
気を健やかに保って行けば何とかなる。

人生最後のストレートを軽やかに走り抜け、フィニッシュするには若い気が必要なのだ!

左にCD読み取りユニット
ピックアップレンズ この下にレーザーダイオードがある

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