都知事選に思う

すべて月花をば さのみ目にて見るものかは 徒然草 吉田兼好

表現の自由はこの言葉に集約される。
見る者、読む者の想像力をかきたててこそ、表現者の力量というもの。
 少年ピカソは神童だった。写実力はピカイチ。ピカソのすごさは写実に囚われることなく、そこから自由になったことだった。
 表現の自由とは対象から解放されることを示したピカソは天才としかいいようがない。
凡人はいつまでも対象に囚われ、縛られていることに気づかない。
 対象から自由になったとき、本質が明らかになり、その表現は独裁者をも脅かす。独裁者は表現の自由に制限を加える。
 だから表現の自由は大事なのだ。それを狭める行為は、愚か者の所業である。
少子化の進む日本でこんな日本人が増殖している。(それにしても増殖者の顔はどうしてみな金太郎飴なのだろう)
ますますこの国を住みにくいところにしている。

乗鞍高原・旅

先週、乗鞍高原・上高地を散策してきました。三泊四日晴れ続きでした。

乗鞍岳と牛留池
雪渓で夏スキーするグループもいました
たぶんウグイス 春ゼミの声にかき消されることなく、一番元気に鳴いてました
姦しいミソサザイ
あちこちでギンリョウソウを見ました
ベニバナイチヤクソウもあちこちに
こいのぼりの矢車に似ているのでヤグルマソウ
電灯か?と思えば、カンバタケ
かつて牧草として導入されたムラサキツメクサ
ウツボグサ
ガマズミ
撮影時はクマダナ(おおこわ!)かと思いましたが、クマはクマでもハチクマの巣のようです 宿の近くでハチクマ見ましたから
オダマキ
ミヤマオダマキ
善五郎滝 涼しかったです
上高地の焼岳 山頂部がちょっと黄色い
大正池と穂高連峰
ツマトリソウ
オシドリもいました
ヤマエンゴサク
清流 梓川
日本近代登山の父 ウェストン
トレッカーをまったく気にせず鳴いていたアオジ
河童橋近くでランチ 穂高連峰を臨みながら
学生時代に槍穂高を縦走して以来です 40年ぶり!
カケスもよく見ました
母ザル(左)が子ザル(中)ばかり面倒見るので、ちょっと大きい子ザル(右)は寂しそうでした
何となく引きこもりに感じられた すねてる?

乗鞍高原は人も少なく、ぞんぶんに自然を満喫できましたが、上高地はひとひとひとで、落ち着ける場所ではありませんでした。(自分もそのひとりですが)5キロくらい歩いてたどり着けるようにすれば、半分くらいにはなるのでは?

このエリアには縄文遺跡もあり、8000年くらい前から人の営みがあったようです。この時期、天気に恵まれたのは運がよかったです。

6月20日 動画追加

かの木の道の匠

今日の放送大学の「『方丈記』と『徒然草』」の講義の中で、島内裕子さんが徒然草第二十二段の「かの木の道の匠」は源氏物語「帚木」の「雨夜の品定め」に出てくる「木の道の匠」だと述べていました。
「雨夜の品定め」という言葉は知っていますが、源氏物語「帚木」を読んだことがありません。

 よろづのことによそへて思せ。 木の道の匠のよろづの物を心にまかせて 作り出だすも、 臨時のもてあそび物の、その物と跡も定まらぬは、 そばつきさればみたるも、げにかうもしつべかりけりと、時につけつつさまを変へて、今めかしきに目移りてをかしきもあり。
大事として、まことに うるはしき人の調度の飾りとする、定まれるやうある物を難なくし出づることなむ、なほまことの物の上手は、さまことに見え分かれはべる。

源氏物語「帚木」から

「大事として、まことにうるはしき人の調度の飾りとする、定まれるやうある物を難なくし出づることなむ、なほまことの物の上手は、さまことに見え分かれはべる」
大切なのは、真に高貴な方の使う調度の飾りで定まった様式のものを無難に作ることができると、真の名工(木の道の匠)であることが分かることでございます。

定まった様式というのは、本物を見極めることのできる者が長い間使ってきた、これしかないという適切な形、いわゆる用に耐える形と言い換えてもいいのではないか。
無難とは無事(何事もなし)のことであり、用に耐えるものに必須の要件である。ものに間違いがないということ。
兼好さんはこのような名工の作った古い様式の器物が美しいという。
まさに民芸運動を主導した柳宗悦氏の「用の美」です。千年も前にすでに紫式部さんは同じことを考えていたのですね。すごい審美眼です!

驚いたことに、紫式部さんの「雨夜の品定め」はまるで清少納言さんの「枕草子」の文章のように感じました。
国文学者の村井順氏は「源氏物語に及ぼした枕草子の影響」という論文の中で、以下のように書いています。

 首巻「桐壺」に次ぐ、大切なこの巻の冒頭に、作者はどうしてこのように本筋を遊離した事件を掲げたのであろう。この疑問を解決するものは、「枕草子」の模倣!これだと筆者は考える。清少納言のすることぐらいのことは、自分にはわけなく出来る!作者は日記の中で清少納言を攻撃しているのと同じ競争意識で、品定めを書いたのだと筆者は考える。

「源氏物語に及ぼした枕草子の影響」(村井順) から

やはりそうか!
毎週「光る君へ」を楽しみにしているわたしは、紫式部さんに関して少しだけ賢くなったのでした。

散歩風景

昨日、天気が良かったので久しぶりにみさき公園まで長い散歩をしました。

これは支柱として木柱が使われています 珍しいのでは?
是得上人の独特の字体「南無阿弥陀仏」 石碑には、「利剣即是弥陀号 一声称念罪皆除」と刻まれています

   是得上人は宝暦13(1763)年、徳本上人と同じ和歌山県日高(ひだか)郡に生まれ、増上寺回向院(ぞうじょうじえこういん)の第十三世となりました。文化元(1803)年、勝尾寺(かつおうじ)で徳本上人の弟子となって諸国を行脚(あんぎゃ)し、各地で念仏を説きました。こうした行脚により、各地で多くの信者や後援者ができ、その業績を偲んで建てられたと考えられます。

    是得上人の名号碑は、阪南市の他に泉南市に1基、岬町に6基、和歌山県西部に16基みられるとともに、但馬(たじま)にも36基が確認されています。

    是得上人は文化9(1812)年に和歌山市直川(のうがわ)に是得庵を建立し、文政7(1824)年6月21日、大阪市内において61歳で亡くなり、直川に葬られました。

阪南市のHPから

是得上人の字体は非常にインパクトありますね。

この仏さまも立派です
岬カーニバルワーフ 廃墟となったレストラン 50年位前のものらしい 周辺住民は危険を感じているそうです
みさき公園の露頭で化石と思しきもの発見 植物か?
みさき公園で野生アナグマと遭遇  前足の爪がすごい!
だんだんカニが減っているような気がします
おこぼれを待つアオサギ この時期、魚釣れません
オオシオカラトンボ 舐めても塩辛くないです
自宅のネズミモチの花 鳥の糞から勝手に生えてきた 今年はじめて花が咲きました
自宅のガクアジサイ 真花が開き始めました
こちらはまだ花開いてません 周囲にあるのはガク

今回の散歩で是得上人のことをはじめて知りました。岬町に六基あるそうなので、今後は気をつけながら散歩します。アナグマにも出会えたし、よかった、よかった。

雨がしとしと日曜日

「雨がしとしと日曜日 僕は一人で 君の帰りを待っていた」と歌の文句にあるように、一日中しとしと雨でした。そして君の帰りを待っていたら、本当に今日も帰ってました。2日連続は珍しい!

たぶん昨夜と同じ鳥だと思います

風向きによっては雨に濡れる場所なので、一晩無事に過ごせるか分かりません。というのも撮影したさっきの位置から少し移動してましたから、雨が吹き込んできているのでしょう。とにかくおかえり!

イソヒヨドリ宿泊

毎日窓枠の上をチェックしています。時々イソヒヨドリがそこで夜を過ごすからです。今夜も来ていました。今年生まれた幼鳥か?

肉眼だとこんな感じで、ようやくわかる程度
ISO800 30秒露光 2枚連続すると微妙に頭が動いています

だいたい撮影している30秒間じっと動かないのですが、2枚の写真を比べると頭が少し動いています。寝ているのか、起きているのか?距離は3メートル程度なので、こちらに気づいているのか?以前、そこにいると気づかずにベランダに出ると、バタバタと逃げ去ったことがあります。真っ暗でしたが、まともに飛んでいました。イソヒヨドリは鳥目ではないようです。

電柱でござる

コンクリート製品を作っている会社の社長をしている友人から電柱の話を聞いたので、街を歩いていると電柱に気が向くようになりました。図書館でこんな本まで借りてしまいました。

世の中にはいろいろな人がいます
電柱の作り方などがよくわかります

子供のころ木製電柱をよく見ましたが、昭和30年ころからコンクリート電柱が普及。淡輪駅周辺のコンクリート電柱の中には昭和32年にたてられたと思われるものがあります。2018年の台風21号は淡輪のコンクリート電柱をへし折りました。以来、このあたりの電柱は強化されたコンクリート電柱が増殖しています。現在木製電柱は全国でもレアもの。岸和田にあった名物の木製電柱は10年位前にコンクリート電柱に置き換わったそうです。残念、見たかった!大阪府に木製電柱は存在するのか?近所をうろついた限り、現役の木製電柱は見当たりませんが、引き込み線用としての電柱を2本見つけました。

1本目、ちょっとくねっているところがセクシーです
2本目、腕木のほぞがたくさん残っているので、かつて電柱としてバリバリ使われていたと思われます
スッとして、りりしい木柱です
倒れないように根元にくさびが撃ち込まれています

風景写真を撮影するときに電柱はやっかいものと感じていましたが、こうやって健気に立っている姿を見ると、勇気をもらえます。地震・台風の脅威が増していますが、木柱は比強度が鉄筋コンクリート柱よりも格段に高いと考えられるので、生き残っているのかもしれません。

がんばれ!木柱!